配達副業を掛け持ちすると任意保険は別々に必要?確認点を解説
フードデリバリー、宅配便、ネットスーパー、スポット配送など、複数の配送サービスを掛け持ちして働く方法があります。
同じ黒ナンバー車を使って複数の仕事を受ける場合、「配送サービスごとに任意保険へ加入する必要があるのか」と疑問に感じる方もいるでしょう。
自動車保険は、原則として保険証券などに記載された契約車両を対象とする保険です。同じ黒ナンバー車を使う場合、登録している配送サービスの数だけ自動車保険を契約する仕組みではありません。
ただし、現在の任意保険が有償の貨物運送に対応していることが前提です。
また、業務委託元が独自に定める保険加入条件や補償額を満たしていない場合、そのサービスの仕事を受けられないことがあります。
同じ車ならサービスごとに任意保険を契約するものではない
三井ダイレクト損保では、「ご契約のお車(被保険自動車)」を、保険契約の対象となり保険証券に明記される車と説明しています。
自動車保険は配送アプリや業務委託先を対象にするものではなく、契約車両、運転する方、用途・車種、補償内容などを設定する保険です。
そのため、同じ黒ナンバー車を使って複数の配送サービスで働く場合、サービスごとに別々の自動車保険へ加入するものではありません。
例えば、同じ車で次の仕事を掛け持ちする場合が考えられます。
- 飲食物の配達
- ネットスーパーの商品配送
- 宅配便の配送
- 企業間の書類配送
- スポット配送
- ルート配送
ただし、実際に行うすべての配送業務が、契約している任意保険の補償範囲に含まれるかは、保険会社へ確認する必要があります。
掛け持ちで重要なのは「有償貨物運送」の申告
有償貨物運送とは、運賃や報酬を受け取って他人の荷物を運ぶことです。
配送サービスの登録先が1社でも複数でも、報酬を受け取って荷物を運ぶのであれば、有償貨物運送を行うことになります。
三井ダイレクト損保では、自家用車種の契約について、「契約車両による有償貨物運送の有無」を告知事項の一つとして公表しています。
告知事項は、保険会社が契約を引き受ける際に確認する重要な項目です。事実と異なる内容を申告した場合、契約の解除や保険金が支払われないことがあります。
配送を始める際は、次の点を正確に伝えましょう。
- 報酬を受け取って荷物を運ぶこと
- 車検証上の用途・車種
- ナンバープレートの種類
- 主に運転する方
- 車の使用状況
- 予想される年間走行距離
- 複数の配送業務で使用する予定があること
掛け持ちを始めたことだけを理由に、必ず新しい保険契約が必要になるとは限りません。しかし、使用状況が契約時から変わる場合は、保険会社へ連絡する必要があります。
黒ナンバーを取得しているか確認する
軽自動車を使用し、荷主から報酬を受け取って貨物を運送する場合は、貨物軽自動車運送事業の経営届出と事業用の黒ナンバーが必要です。
副業であることや、週に数回しか稼働しないことを理由に、黄色ナンバーのまま有償配送ができるわけではありません。
複数の配送サービスへ登録する前に、次の手続きが完了しているか確認してください。
- 管轄の運輸支局へ貨物軽自動車運送事業の経営届出を行う
- 軽自動車検査協会で事業用の黒ナンバーを取得する
- 黒ナンバーでの配送に対応した任意保険を用意する
- 必要な安全管理体制を整える
- 各業務委託元の登録条件を確認する
黒ナンバーの取得と任意保険の変更は別の手続きです。ナンバーを変更しただけで、任意保険の契約内容が自動的に変わるわけではありません。
業務委託元が用意する保険との違い
配送サービスや業務委託元によっては、稼働中の事故などを対象とする補償制度が設けられている場合があります。
ただし、業務委託元が用意する補償と、自分で契約する黒ナンバー車の任意保険は同じものとは限りません。
| 確認項目 | 自分で契約する任意保険 | 業務委託元などの補償 |
| 契約の対象 | 契約車両や契約条件に基づく | 業務委託元が定める条件に基づく |
| 補償される時間 | 保険契約の条件による | 配送依頼の受諾中などに限定される場合がある |
| 対人・対物賠償 | 選択した契約内容による | 補償の有無や限度額は制度による |
| 自分のケガ | 人身傷害などの契約内容による | 制度ごとに異なる |
| 車の損害 | 車両保険の契約内容による | 対象外となる場合がある |
| 適用条件 | 普通保険約款・特約による | 業務委託元の規約による |
業務委託元の補償があるという理由だけで、自分の任意保険が不要になるとは判断できません。
登録前に、補償される事故、時間、限度額、対象となる方、自己負担額などを確認してください。
サービスの切替時間に補償の空白がないか確認する
複数の配送サービスを掛け持ちすると、あるサービスの配達を終えてから、別のサービスの依頼を受けるまでの移動時間が生じます。
業務委託元が用意する補償制度には、適用される時間や条件が定められている場合があります。
次の時間が補償対象になるか確認しましょう。
- 配送依頼を待っている時間
- 商品や荷物を受け取りに向かう時間
- 荷物を積んで届け先へ向かう時間
- 配送完了後に次の場所へ移動する時間
- 別の配送サービスへ切り替える間の移動
- 業務を終了して帰宅する途中
自分で契約する任意保険についても、これらの使用状況が契約内容の範囲に含まれているか確認する必要があります。
業務委託先の必要補償額を確認する
配送サービスや業務委託元によっては、登録条件として任意保険の加入や一定の補償額を求める場合があります。
主に確認したい項目は次のとおりです。
- 対人賠償保険の保険金額
- 対物賠償保険の保険金額
- 対物超過修理費用補償の有無
- 人身傷害保険の有無
- 搭乗者傷害保険の有無
- 車両保険の有無
- 保険証券や契約内容画面の提出
- 保険期間
- 契約車両の登録番号
- 記名被保険者
- 使用できる車種
1社目の登録条件を満たしていても、別の業務委託元では条件が異なることがあります。
掛け持ちを始める際は、各業務委託元の条件を並べ、最も高い条件を満たしているか確認すると分かりやすくなります。
同じ車を家族や従業員も運転する場合
掛け持ちによって仕事量が増え、家族や従業員が配送を担当することも考えられます。
この場合は、配送サービスの数ではなく、実際に運転する方が任意保険の補償対象に含まれているかを確認する必要があります。
記名被保険者は、契約車両を主に運転する方です。
契約後に主な運転者が変わった場合や、新たなドライバーが継続して運転する場合は、保険会社へ連絡してください。
三井ダイレクト損保では、用途・車種が営業用3車種に該当し、記名被保険者が個人の契約の場合、運転者の範囲に関する特約をセットできないとしています。
ただし、これだけで誰が運転しても無条件に補償されるという意味ではありません。記名被保険者や実際の使用状況など、契約内容を正しく申告する必要があります。
車を2台使い分ける場合は車ごとに契約を確認
配送サービスごとに使用する車を分ける場合は注意が必要です。
自動車保険は保険証券などに記載された契約車両を対象とします。1台の車に付けた任意保険で、別の黒ナンバー車まで自動的に補償されるわけではありません。
例えば、次のような場合です。
- 宅配便では軽バンを使用する
- フードデリバリーでは軽乗用車を使用する
- 平日は自分の車、休日は別の車を使用する
- 故障時に予備車へ乗り換える
複数の車を継続して使用する場合は、それぞれの車について任意保険の契約状況を確認します。
車を借りて配送する場合も、その車の保険で有償貨物運送が補償されるかを確認してください。
配送する荷物の損害は自動車保険とは別に確認
黒ナンバー車の任意保険は、主に自動車事故による対人・対物賠償、自分や同乗者のケガ、契約車両の損害などに備える保険です。
配送中の商品や荷物の破損、紛失などが、一般的な自動車保険ですべて補償されるとは限りません。
業務委託元から預かった荷物については、次の点を確認します。
- 業務委託元が用意する補償の有無
- 貨物保険へ加入する必要があるか
- 破損や紛失時の自己負担
- 高額品や冷蔵品などの取り扱い
- 補償されない荷物
- 事故発生時の報告方法
複数の配送サービスを掛け持ちすると、取り扱う荷物の種類も増える可能性があります。それぞれの委託契約と貨物に関する補償条件を確認してください。
仕事を増やすと年間走行距離も変わる
配送サービスを掛け持ちすると、稼働時間や年間走行距離が増えることがあります。
三井ダイレクト損保では、自家用8車種について、走行距離区分を告知事項として定めています。
黒色プレートの軽乗用車など、走行距離区分の申告が必要な契約では、掛け持ちによって予想される年間走行距離が変わる場合に確認が必要です。
営業用軽四輪貨物車についても、保険料を決める条件や告知事項は保険会社によって異なります。
契約時に申告した使用状況から大きく変わる場合は、保険会社へ連絡してください。
1.現在の任意保険を確認する
保険証券または契約内容画面で、次の内容を確認します。
- 契約車両
- 登録番号
- 用途・車種
- 記名被保険者
- 補償内容
- 保険金額
- 保険期間
2.追加する配送サービスの登録条件を確認する
必要な任意保険の種類、補償額、提出書類などを確認します。
3.実際の運転者を確認する
自分だけが運転するのか、家族や従業員も運転するのかを整理します。
4.使用する車を確認する
現在と同じ車を使用するのか、別の車を追加するのかを確認します。
5.保険会社へ変更内容を伝える
配送業務の内容、運転者、車両、走行状況などに変更がある場合は、掛け持ちを開始する前に保険会社へ連絡します。
6.補償開始を確認してから稼働する
契約変更や新しい契約が必要になった場合は、補償が開始してから新しい仕事を始めます。
複数サービスを掛け持ちすると保険料は上がる?
配送サービスの登録数だけを理由に、保険料が決まるとは限りません。
自動車保険の保険料は、保険会社が定める契約条件に基づいて算出されます。
主な確認項目には次のものがあります。
- 車の用途・車種
- 型式
- 記名被保険者
- ノンフリート等級
- 事故有係数適用期間
- 選択する補償内容
- 車両保険の有無
- 走行距離などの使用状況
掛け持ちによって車両、運転者、使用状況などが変われば、契約変更や保険料の変更が生じる可能性があります。
実際の保険料は見積りや契約変更の手続きで確認してください。
掛け持ちを始める前のチェックリスト
複数の配送サービスで働く前に、次の項目を確認しましょう。
- 使用する車は黒ナンバーになっているか
- 任意保険の契約車両と実際に使う車が一致しているか
- 有償で荷物を運ぶことを正しく申告しているか
- 配送業務に対応した契約になっているか
- 各業務委託元が求める補償額を満たしているか
- 実際に運転する方が補償対象に含まれているか
- 2台以上使用する場合は各車に保険があるか
- 委託元の補償が適用される時間を確認したか
- 配送する荷物の損害に備えられているか
- 使用状況の変更を保険会社へ連絡したか
登録を完了することだけでなく、実際の配送中に補償される状態になっているかを確認することが重要です。
配達の掛け持ちは車・運転者・補償条件を確認しよう
同じ黒ナンバー車を使って複数の配送サービスを掛け持ちする場合、サービスの数だけ任意保険を契約する仕組みではありません。
ただし、契約している任意保険が有償貨物運送に対応し、実際の車両、運転者、使用状況が正しく申告されている必要があります。
また、各業務委託元が求める補償額や提出書類は同じとは限りません。委託元が用意する補償についても、対象となる事故や適用時間を確認する必要があります。
新しい配送サービスへ登録する前に、現在の保険証券と委託条件を確認し、不明な点は保険会社へ問い合わせましょう。
よくある質問
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配送サービスを2社掛け持ちすると任意保険も2契約必要ですか?
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同じ契約車両を使用する場合、配送サービスの数だけ自動車保険を契約する仕組みではありません。ただし、現在の契約がすべての配送業務に対応するか、各業務委託元の条件を満たすか確認が必要です。
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フードデリバリーと宅配便を同じ車で行えますか?
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貨物軽自動車運送事業の届出、黒ナンバー、任意保険などの条件を満たしたうえで、各業務委託元がその車の使用を認めているか確認してください。荷物の種類や車両条件は委託元によって異なります。
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配送アプリに付いている保険だけで足りますか?
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業務委託元の補償は、適用される時間、事故、対象者、補償額などが限定されている場合があります。自分の任意保険が不要になるとは判断せず、双方の補償内容を確認してください。
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掛け持ちを始めたら保険会社への連絡が必要ですか?
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車両、運転者、使用状況、走行距離などが契約時の申告内容から変わる場合は、保険会社へ連絡してください。連絡が必要か判断できない場合も、事前に確認する方が確実です。
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別の黒ナンバー車を使う場合も現在の保険で補償されますか?
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動車保険は、保険証券などに記載された契約車両を対象とします。別の車を継続して使用する場合は、その車について任意保険の契約を確認してください。
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配送する荷物の破損も任意保険で補償されますか?
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自動車保険だけで、預かった荷物の破損や紛失がすべて補償されるとは限りません。業務委託元の補償や貨物保険を確認してください。
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家族や従業員に配送を任せても大丈夫ですか?
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実際に運転する方が補償対象になるか、主に運転する方の設定に変更がないか確認する必要があります。運転者が変わる場合は、稼働前に保険会社へ連絡してください。
※お見積りは個人情報の入力不要です。
※こちらの記事は、営業用軽貨物保険などに関する一般的な情報や背景について記載したもので、最新の契約内容や具体的な保険プランに関する詳細とは異なる場合があります。保険に関する具体的な内容については、各保険の名称や補償内容は引受保険会社によって異なりますので、ご契約(団体契約の場合はご加入)にあたっては、必ず重要事項説明書や各保険のパンフレット(リーフレット)等をよくお読みください。ご不明な点等がある場合には、代理店までお問い合わせください。

